外国人に防寒マフラーのことをmufflerって言ったら通じなかったんだけど、英語では「マフラー」じゃないのかな?
- 外国人にマフラーを英語でmufflerと言ったら通じなかった
- 「マフラー」は和製英語なのか疑問
- 「マフラーを着ける」など会話で使える例文を知りたい
英語のmufflerは、一般的に自動車やバイクのマフラーのことを指すんです。
つまり、日本人が寒い季節に身に着ける防寒マフラーは和製英語ってこと?
う〜ん。実は和製英語ではないんだ。まずは、防寒マフラーが英語で何て言われているのかや、和製英語なのかどうかを語源や歴史から紐解いて解説するね。
また、一口にマフラーと言ってもさまざまな種類がありますよね。その種類や実際に英会話で使える例文も紹介します。
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首に巻く防寒マフラーは英語で何と言う?
冬の寒い季節に防寒だけではなく、ファッションアイテムの一つとしても欠かせないマフラー。
首に巻く防寒用のマフラーは英語で何て言うの?
防寒用のマフラーは「scarf」と言われているニャン。
アメリカ人やイギリス人などの英語ネイティブは、ファッションアイテムのマフラーをscarfと呼ぶのです。
日本語でスカーフと言えば、シルクや綿、化繊などの薄手のスカーフが真っ先に思い浮かびますよね。
しかし、冬の防寒マフラーも薄手のスカーフも、英語では基本的に「scarf」なんです。
例えば、赤いマフラーを首に巻いたと言うときは下記のように言います。
(彼女は赤いマフラーを首に巻いた)
ちなみに、woreは動詞のwearの過去形で「着る」とか「着用する」という意味です。この場合、「マフラーを首に巻いて着用した」ということですね。
英語のmufflerは自動車やバイクのマフラー
冒頭の通り、英語のmufflerは一般的に自動車やバイクの排気口にある、音の低減と排出ガスを抑制する消音器の「マフラー」のことを表します。
ただし、自動車やバイクのマフラーを英語でmuffler(マフラー)と言うのはアメリカ英語です。イギリスでは silenceと言うのが一般的です。
動詞のmuffleには「音を小さくするために包む」という意味があり、silence には「静かにさせる」という動詞の意味があります。
マフラーは和製英語?
防寒マフラーの英語はscarfで、mufflerは一般的に車のマフラーを意味するので、首に巻くマフラーは和製英語だと言う人もいます。でも、実は「マフラー」は和製英語ではないのです。
Cambridge Dictionaryの翻訳ツールで「muffler」を調べてみると、自動車のマフラー(a device on a vehicle which reduces noise)と防寒マフラー(scarf)の二つが紹介されています。
発音記号・読み方:ˈmʌf·lər
品詞:noun(名詞)
-a long strip of cloth, often of wool, worn around the neck for warmth; scarf
-a device on a vehicle which reduces noise引用元: Cambridge Dictionary
つまり、「muffler=ファッションアイテムのマフラー」でも間違いではないってことなんだね。でも、何でなの?
なぜなら、昔は英語でmufflerと呼ばれていたからなの。
現代は、アメリカやイギリス、オーストラリアなどでは一般的に防寒マフラーはscarfと呼ばれていますが、英語のmufflerが必ずしも通じないかというとそんなことはないんです。
例えば、イギリスの植民地インドで英語は準公用語とされていますが、mufflerという単語は首に巻くマフラーの意味で使われています。
つまり、「英語」と一口に言っても英語も国によって違うということです。
でも、なんで昔はmufflerと言われていたの?
いい質問ね。次に詳しく解説します。
マフラーの英語「muffler」の語源と歴史
英語のmuffler(マフラー)は、ラテン語のmuffula(顔や手を包む物)が語源です。
歴史的背景から、英語はラテン語から由来しています。ラテン語のmuffulaは英語ではmuffleで「包む」とか「くるむ」を意味することからmufflerと呼ばれていた時代があったのです。
マフラーの起源は諸説あり、何が真実かは不明ですが、15世紀頃にマフラーと呼ばれるアイテムが存在していたという説があります。
ただし、この頃にマフラーと呼ばれていたのは、今の防寒で使う首に巻くマフラーではなく、女性が顔の下の部分を覆っている布のようなものだったそうです。
現在のマフラーに近い首に巻くスタイルになったのは、18世紀の後半〜19世紀頃とされています。
マフラーはwrapとも呼ばれる?
言葉は時代によって変化しますが、現代ではscarf(マフラー)がファッションアイテムとして「wrap」([体を]包むもの)と呼ばれることもあり、混乱しがちです。
実は、これは間違いで、英語のwrapがファッション用語で使われるときは、ショールとストールを総称した呼び方なので、scarf(マフラー)はwrapには該当しません。
ちなみに、ショールは英語でshawl、ストールは英語でstoleです。shawlとstoleはマフラーと比較すると大きめのサイズで肩から掛けられるタイプのものです。
ただし、下記のようにwrapを動詞で使う場合は、wrap upする複数の防寒アイテムの一つとしてマフラーも含んだ意味でよく使われます。
(今日は[寒いから]暖かくしなくちゃね)
scarfの複数形は「scarfs」それとも「scarves」?
scarfの複数形はscarvesです。でも、実は両方とも正解と言えます。
なぜなら、もともと複数形として使われていたのはscarfsだったから。
ところが、20世紀以降は使われなくなって、scarvesに変化したの。
scarfsという単語は現在でも存在しますが、現在使われているscarfsは動詞(verb)、もしくは句動詞(phrasal verb)のscarf downで、「すばやく食べる」または「食べ物を詰め込む」ことを意味します。
例えば、下記のように使われます。
(猫に鶏肉をあげたらガツガツと数秒で食べてしまった)
scarfの種類と英語表現
scarfには薄手のスカーフと防寒マフラーの「scarf」がありますが、これらを明確に英語で使い分けられるのかや、マフラーの種類によって違うさまざまな英語表現を紹介します。
薄手スカーフと防寒マフラーの英語の違い
英語のscarfを薄手スカーフと防寒マフラーで明確に使い分けたい場合は、薄手のスカーフはthin scarf、冬の防寒マフラーはwinter scarfとかthick scarfなどと呼ばれます。
なるほどね〜。「薄い=thin」、「厚い=thick」って、生地の厚みを表現することで区別できるんだね。
その通り。ちなみに、冬の防寒マフラーには他にも複数の呼び方があるの。
防寒マフラーの5つの種類と英語表現
寒い季節に使う防寒マフラーに複数の呼び方があるのは、素材にいくつかの種類があるからです。素材ごとにマフラーの英語の表記を紹介します。
- 厚みのあるマフラー: thick scarf
- ニットのマフラー: knitted scarf
- ウールのマフラー: wool scarf
- カシミアのマフラー: cashmere scarf
- 防寒性の高いマフラー: thermal scarf
厚みのあるマフラー: thick scarf
thickは「厚い」という意味です。素材にかかわらず厚みのある防寒マフラー全般をthick scarfと呼びます。
ニットのマフラー: knitted scarf
knitted scarfは毛糸で編まれたマフラーのことです。knit scarfでもOK。手編みのマフラーは英語でhandmade knitted scarfと言います。
ウールのマフラー: wool scarf
woolは羊毛で作られた生地のマフラーのことです。woollenは名詞と形容詞で使われますが、woollen scarfと言う場合は、形容詞で「羊毛の」マフラーというニュアンスになります。
ちなみに、「羊毛の」マフラーは、アメリカ英語ではwoolen scarf、イギリス英語ではwoollen scarfと、異なるスペルの英語で使われています。
カシミアのマフラー: cashmere scarf
cashmereは、羊の毛の一種ではありますが、中国やモンゴルの標高が高い地域に生息するカシミア山羊の毛のことです。細くて柔らかいのが特徴です。
防寒性の高いマフラー: thermal scarf
thermalはheat(熱い)を意味する単語で、保温性が高い生地のことです。マフラーの場合は、一般的にポリエステルやアクリルなどの化繊の素材がよく使われます。
【scarf】日常英会話で役立つ例文8選
最後に、防寒マフラーの意味でscarfを使う場合の英語の例文を紹介します。
(そのマフラーが大好き)
Make sure to bring a scarf and gloves!
(マフラーと手袋を忘れないようにね)
Put your scarf on. It’s very cold out.
(マフラーを着けて。外は寒いよ)
wearは「着ける」とか「着用する」を意味しますが、同様にputで表現することもできます。
(このマフラーは柔らかくてスベスベしている)
She is knitting a scarf.
(彼女はマフラーを編んでいる)
I wore the scarf that you made for me.
(君が僕のために作ってくれたマフラーを着けてるんだ)
woreはwearの過去形。「I wore the scarf that you made for me」のthatは、関係代名詞で「僕が着けているマフラー」は「君が作ってくれたもの」であると説明しています。
(コートとマフラーをお預かりしましょうか?)
That scarf is very becoming on you.
(そのマフラーは君によく似合ってる)
「be becoming on +人」は、「服や髪形などが人に似合っている」という意味で使います。
この「becoming」は、becomeの現在進行形ではありません。becomingは形容詞で「似合う」とか「ふさわしい」を意味します。
まとめ
マフラーの種類についても解説しましたが、基本的には薄手のスカーフも防寒マフラーも「scarf」です。今ではマフラーをmufflerと言うと通じないこともあるかもしれませんが、時代と共に使われる言語も変化していくものです。ぜひ、例文も参考にして使ってみてください。