ビジネスの現場で、一日に何度も使う「よろしくお願いします」。
日本語では万能なこの言葉も、英語でそのまま “Please…” と直訳すると、相手に「命令的」または「無責任」な印象を与え、信頼を損なうリスクがあります。
英語には「よろしくお願いします」に相当する単語は存在しません。そのため、「何をよろしくしたいのか」という目的に合わせてフレーズを使い分けるのが鉄則です。
今すぐ使える「よろしくお願いします」早見表
| 伝えたいシーン | 最適な英語表現 |
|---|---|
| 商談・プロジェクト開始 (これからよろしく) |
I’m looking forward to working with you. |
| 依頼・作業のお願い (対応よろしく) |
Thank you for your cooperation. |
| メールの結び (返信よろしく) |
I look forward to hearing from you. |
| 目上の人への感謝 (引き続きよろしく) |
I appreciate your continued support. |
この記事では、外資系ビジネスの現場で「失礼にならない」適切なフレーズを、メール・会話別に徹底解説します。後半では、日本人が無意識に使って評価を下げてしまう「恐怖のNG表現」も紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
- 仕事で「今すぐ」適切な英語表現を使いたい
- 直訳がなぜ「命令的」に聞こえるのか理由を知りたい
- シーン別の使い分け(メール・商談・チャット)をマスターしたい
「Pleaseを使うとなぜ失礼なの?」と疑問を持った方は、こちらの記事もチェックしてみてください。👉 英語のPleaseは丁寧な「お願い」じゃない?職場で「命令っぽい」と言われた私の失敗談
スポンサーリンク
なぜビジネス英語では「よろしくお願いします」が難しいのか?
日本語の「よろしくお願いします」には、多くの意味が凝縮されています。
- 今後の協力を期待しています
- プロジェクトを円滑に進めたいです
- (ミスがないよう)丁寧に対応をお願いします
しかし、英語は「誰が、何を、どうするのか」を明確に定義する文化。曖昧な「よろしく」で空気を読んでもらおうとする姿勢は、ビジネスの場では「責任逃れ」や「不透明な依頼」と受け取られかねません。
ビジネス英語での「よろしく」は、翻訳するのではなく、「感謝」「期待」「敬意」のどれを伝えたいのかを明確にし、具体的な言葉に置き換えるのが鉄則です。
ビジネスで信頼を築く「よろしくお願いします」の適切な表現
ビジネスシーンの対面やメールで最もよく使われる表現を紹介します。
1. I’m looking forward to working with you.(商談・プロジェクト開始)
「一緒にお仕事できるのを楽しみにしています」という、最もポジティブで安全な表現です。初対面の挨拶や、契約が決まった直後の締めの言葉として最適です。
A: We are excited to start this project with your team.
(貴社チームとこのプロジェクトを始められることにワクワクしています。)
B: Same here. I’m looking forward to working with you.
(こちらこそ。これからよろしくお願いします。)
2. Thank you for your cooperation.(依頼・進行中)
直訳は「ご協力ありがとうございます」ですが、実質的に「よろしくお願いします」として機能します。すでに具体的な依頼が発生している場面で使います。
A: Could you review this report by Friday?
(金曜までにこのレポートをチェックしてもらえますか?)
B: Sure, I’ll take a look.
(了解、見ておくよ。)
A: Great, thank you for your cooperation.
(助かります、よろしくお願いします。)
3. I appreciate your support.(感謝・敬意)
サポートや支援に対して、よりフォーマルに「よろしくお願いします」と伝えたいときの表現です。上司や顧客に対して使うと非常に好印象です。
Thank you for resolving the issue quickly. I truly appreciate your continued support.
(迅速な問題解決をありがとうございます。引き続き、よろしくお願いします。)
【補足】メール・チャット専用の「よろしくお願いします」
書き言葉には、会話とは異なる「定番の型」があります。これを知っているだけで、メールのプロっぽさが変わります。
- Thank you in advance.
「(依頼に対して)事前にありがとうございます=よろしくお願いします」の意。※会話では絶対に使わないでください。 - I look forward to hearing from you.
「お返事をお待ちしております=よろしくお願いします」の意。返信が欲しいときの定番の結びです。
ビジネスで絶対に避けるべきNG表現とそのリスク
良かれと思って直訳した言葉が、相手の不快感を買い、あなたのプロとしての評価を下げるリスクがあります。
❌ Please cooperate.(命令的・失礼)
「協力してください」という直訳ですが、これは相手に「拒否権を与えない強い命令」に聞こえます。
取引先に使うと「なぜ指図されなければならないのか」と不快感を与え、あなたの評価を著しく下げてしまいます。この表現を使うのは、警察の捜査協力や行政からの義務の通知などの要請で、一般的な企業間の取引では使いません。
❌ Thank you in advance.(対面での使用)
この表現はあくまで文章(メール・チャット)専用です。対面の会話で使うと非常に不自然で、相手との間に奇妙な距離感を作ってしまいます。口頭では「I look forward to…」を使いましょう。
❌ Let’s work together on this.(初対面の目上の人へ)
カジュアルすぎて、初対面のビジネスシーンでは軽く聞こえることがあります。関係性が構築できるまでは、より丁寧な表現を選ぶのが無難です。
表現は分かったのに、実際の商談で言葉が出てこない理由
ここまで読んで、ビジネスで使えるフレーズはしっかり理解できたはずです。しかし、実際の商談の場で、この言葉がスッと出てくるでしょうか?
実は、私は長年の独学を続け、同僚とは英語でカジュアルに話せるようになったものの、いざ「英語での商談」や「社内会議」となると言葉が全く出てこない……。
伝えたいことが伝えられない屈辱的な時期を長く過ごしました。
「日常会話はなんとかなるのに、なぜか仕事の場ではフリーズする」。
その原因は、あなたの英語力不足ではありません。
日本語と英語では、ビジネスコミュニケーションの設計そのものが異なります。
日本語の「よろしくお願いします」を、そのまま英語に置き換えようとすると、脳が翻訳処理で止まってしまうのです。
「なぜ、暗記したはずなのに口から出てこないのか?」とお悩みなら、こちらの記事をチェックしてみてください。
仕事で英語を使う場面では、この数秒の迷いが評価に直結します。
さらに仕事では、日常会話とは違う、ビジネスの場に適した、さらに高い英語力が求められます。
私が英語を使う職場で経験した挫折とフラストレーション、そしてそこから抜け出した方法を、こちらの記事で詳しくまとめました。
まとめ:ビジネス英語の「よろしく」は具体性が命
- ビジネスに万能な「よろしく」はない。目的(感謝・期待)を明確にする
- メールでは「Thank you in advance」、会話では「Looking forward to…」を使い分ける
- 直訳の「Please cooperate」は評価を下げるリスクがある
正しいフレーズを知ることは、ビジネスにおける「武器」を手に入れることです。しかし、武器は持っているだけでは意味がありません。実際に使ってみて、ときには間違え、それを直してもらうというプロセスを経て初めて、あなたの「スキル」になります。
もし今、あなたが「フレーズは分かったのに、やっぱり会話になると怖い」と感じているなら、それはあなたが次のレベルに上がろうとしている証拠。その恐怖を自信に変えるための具体的な方法は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。👉 英語が通じているのに「不安」が消えない理由






