英語を学習していて「通勤」を辞書で調べると、”commute”って英単語が出てくるけど、辞書の英語は英語ネイティブに通じないことがあるから、本当にこの単語を使って伝わるのか不安で…。合ってるのかな?
- 英語ネイティブが使う自然な表現なのか知りたい
- 名詞と動詞があるので、混乱して使い方がよくわからない
- 徒歩通勤などの場合は何て言うのか知りたい
結論から言うと、commuteは「通勤する」と英語で言うときによく使われる単語です。
一方で、実は使うシーンや通勤の交通手段によっても違うんです。通勤には、電車や車通勤、自転車、徒歩通勤など、いくつか手段があります。
今回は、「通勤する」を英語ネイティブは何と言うのかや、交通手段ごとにそれぞれの英語表現を紹介します。
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「通勤する」は英語でcommute?
”commute”は、英語で「通勤する」と言うときに使う単語で動詞(verb)です。「通勤」という意味の名詞(noun)で使う場合はcommutingやcommuterと言います。
commuteの英語の読み方や発音は下記の通りです。
音節:com・mute
発音記号・読み方:kəmjúːt(米国英語), kʌˈmju:t(英国英語)
でもね、実は、commuteはこの一つの単語だけで「通勤する」という意味にはならないんだ。
つまり、「commute=通勤する」ではないってことなの。
なぜなら、commuteはあくまでもある地点から別の地点まで毎日のように定期的に移動していることを意味する単語だからなんです。
つまり、必ずしも「通勤する」という意味だけに使う英単語ではないということです。
例えば、”commute”は、学生の通学でも使える単語なの。
commuteは通学と通勤の両方で使える
通学と通勤の両方で使えるcommuteですが、その使い方についてそれぞれ詳しく解説します。
- 「通学する」のcommuteの使い方
- 「通勤する」のcommuteの使い方
「通学する」のcommuteの使い方
学生がバスを使って毎日通学している場合、下記のように言えます。
(私は毎日バスで通学しています)
ちなみに、commuteは一般的に小学生の通学では使わないの。
大学生や専門学生などが通学するときに使います。
ただし、イギリスでは大学や専門学校を”school”とは言いません。”university”や”college”などと、具体的に伝えます。
- I commute to university by bus.
- I commute to college by bus.
ここでの注意は、学校の場合は学校の先生も通勤で使うことがあることです。
見た目が学生と先生のどちらか区別がつかない大人の場合は、「通勤」と誤解される可能性があるので注意が必要ね。
次に、職場に通勤する場合のcommuteの使い方について解説します。
「通勤する」のcommuteの使い方
”commute”は動詞(verb)ですが、「通勤する」と言うときの動詞の”commute”の使い方について解説します。
ちなみに、名詞(noun)で「通勤」を意味する場合は、”commutingやcommuter”ですが、名詞と動詞では、意味も使い方にも微妙な違いがあります。名詞の使い方は後で詳しく解説します。
まず、動詞のcommuteについてですが、動詞の場合は、「通勤する」という行為そのものを指します。
じゃあ、例えばcommuteを使って「私は電車で通勤しています」は、どんな英語になるの?
その場合は、commute to workというフレーズを使って表現するんだ。
前述の通り、commuteは、ある地点から別の地点に定期的な行動を示す単語なので、「職場」という意味はcommuteの中には含まれていません。
そこで、”commute to work“と、職場とか勤務先といったニュアンスの言葉が必要です。
(私は電車で通勤しています)
commuteは「通勤する」の自然な英語表現としてよく使われてるけど、実は、普段の日常会話ではなく、ビジネスなどのフォーマルなシーンで使うのが一般的なの。
英語の学習をしているときに英語の辞書をひくと、このようにフォーマルなシーンで使われる英語が出てきたり、専門的な単語が出てきたりすることがよくあります。
「通勤する」のcommuteは、英語のビジネスシーンなどで使われますが、実は、英語ネイティブの日常会話では、commuteを使わないで、もっと簡単な表現で話されているのです。
「電車通勤する」の日常英会話ネイティブ表現
では、日常英会話で一般的に使われる表現を紹介します。
「電車で通勤してます」の英会話での自然な表現は複数あるの。
- I take the train to work.
- I ride the train to work.
- I use the train for work.
- I get the train to work.
- I travel to work by train
ちなみに、”I ride the train to commute to work.”と言えば「電車で職場に通勤する」、”I use the train to commute to work“なら「職場に通勤するのに電車を使ってる」のようなニュアンスになります。
どれも自然な英語の表現でそう変わりはないかなぁ…。
え〜、どれを使えばいいか迷うな…。
あえて言うなら、最もよく聞くのは”I take the train to work.“かもしれない。
また、日常会話で「職場にはどうやって通勤しているの?」と聞かれて、「電車で通勤してる」と答える場合の例文は下記です。
(職場にはどうやって通勤しているの?)
Maria: I take the train.
(電車で通勤してる)
他にも、「通勤時間はどのくらい?」とcommuteを使った質問と、その答え方の会話の例文を紹介します。
(通勤時間は毎日どのくらい?)
Maria: It takes 30 minutes to work by train.
(電車で30分)
答え方はさまざまで、”It’s about 30 minutes”でもOKです。ただし、その場合は交通手段の説明がないので、何を使って30分かかっているか会話が曖昧です。答え方については、後でもう少し詳しく解説します。
【交通手段別】日常英会話で「通勤する」のネイティブ表現
通勤するときの交通手段は、電車以外にも、車、自転車、徒歩などさまざまです。それぞれの交通手段ごとに、英語ネイティブが日常英会話でよく使う簡単で自然な表現を紹介します。
- 徒歩で通勤するときはcommuteを使わない?
- 車・自転車などで通勤する場合の表現
徒歩で通勤するときはcommuteを使わない
一般的に、徒歩で通勤するときはcommuteを使いません。
ことはさんなら「徒歩通勤してる」は英語でなんて言う?
え〜っと、commuteを使わないなら…、「徒歩で」はon footだから、
“I go to work on foot.”かな?
う〜ん。決して文法的にも間違っていないし通じるんだけど、英語ネイティブが「通勤」について話す場合、その表現は使わないんだ。
英語ネイティブが会話でよく使う自然な表現はこれだニャ!
I walk to work.(徒歩通勤してます)
commuteは、基本的に自宅と職場の間で、例えば都心と郊外のように少し距離がある移動を定期的に通勤している場合に使う単語です。
電車や車通勤などの場合、たとえ10分の短い時間の通勤であっても、それなりの距離もあるので、commute to workを使います。
しかし、歩いて行ける距離であれば、commuteを使うのは不自然ですよね。だから、徒歩の場合は”I walk to work“と言うのが一般的です。
車・自転車などで通勤する場合の表現
では、他の通勤手段である車や自転車などで通勤する場合は、一般的にどのように表現するのが自然なのか見てみましょう。
- I drive to work.
(車で通勤する) - I cycle to work.
(自転車で通勤する) - I bike to work.
(自転車で通勤する) - I get a taxi to work.
(タクシーで通勤する)
なるほど〜!英語はcommuteを使わなくても、「交通手段+to work」で通勤とその交通手段を意味するんだね。
そうなの。あと、この場合で最も伝えたいことは「交通手段」でしょ?
だから、まずは基本的に交通手段を最初に伝えるんだ。
なぜなら、英語は大事なことを最初に言う言語だからです。
また、「通勤時間はどのくらいかかるの?」と聞かれたら、例えば下記のように答えます。
-
It usually takes me about 30 minutes by train to get to work.
(電車で30分くらいかかる) -
It’s about 30 minutes drive to work.
(車で30分くらいかかる)
この答え方なら、どの交通手段でどのくらい時間がかかるか明確。
どの交通手段でも応用できるよね。
ちなみに、よく日本人がcommute to work by trainではなく、「通勤する」の簡単な表現で”I go to work by train”と言ってもいいと解説していたりします。確かに間違いではありません。
しかし、会話では上記のように短く簡単な表現ができるので、敢えて「go to work by +交通手段」とまどろっこしく言う必要はありません。
英語学習のコツは、辞書で調べた英語を会話でそのまま使うのではなく、最も短く簡単な表現を考えてみることです。
「通勤」の名詞”commuting”と”commuter”の違いと使い方は?
話は戻り、前述で動詞(verb)のcommuteと名詞(noun)のcommutingやcommuterでは、意味も使い方も微妙な違いがあるとお伝えしましたが、名詞(noun)のcommutingやcommuterの使い方を解説します。
commutingやcommuterは「通勤」という意味で日常英会話でもよく使われますが、違いはcommutingは名詞で「通勤」という行為全体を指し、commuterは「通勤者」を指すことです。
例えば「通勤電車」や「通勤地獄」など、通勤にかかわる名詞としての言葉は、下記のように表現します。
- commuter train(通勤電車)
- commuter hell(通勤地獄)
- commuting hours/commuting time(通勤時間)
- commuter pass(電車の定期券)
「東京の朝のラッシュアワーは通勤地獄」や「通勤電車に乗るのを避けてる」と説明するときは、下記のように伝えます。
(東京の朝のラッシュアワーは通勤地獄だよ)
I’m trying to avoid the commuter trains .
(通勤電車に乗るのを避けてるんだ)
avoidは「〜を避ける」という意味の英単語ですが、電車通勤を避けて、何か他の手段で通勤しているようですね。
ちなみに、commuter hellはcommuting hellでもOKです。
基本的に、“commuting hell” は「広い範囲の通勤に関連するやっかいな状況」を表し、”commuter hell”は「通勤者が具体的に経験する苦痛」をより強調する傾向があります。
ただし、 必ずしもというわけではなく、commuting hellとcommuter hellのどちらを使うかは、文脈や強調したいポイントによって違うの。
例えば、commuting hellでも「通勤者の苦痛」を表せます。ただし、commuter hellを使った前述の例文とはちょっと文章の作り方も違います。
commuting hellを使って「通勤者が経験する苦痛」を強調するなら下記の英文になります。
「東京の朝のラッシュアワー自体が『通勤地獄』である」と表現するなら下記の通りです。
“Tokyo’s morning rush hour is commuter hellの“場合は、「朝のラッシュアワーが通勤者にとって特に苦痛な状況であること」を強調しています。
一方で、commuting hellを使うと「朝のラッシュアワー自体が『通勤地獄』」という意味になるのです。
アメリカやイギリスの通勤でtrainは使わない?
前述で、電車通勤について日常英会話でよく使う自然な表現を解説しましたが、実は、アメリカやイギリスで生活する場合は、「電車通勤」について人に話すときに、注意することがあります。日本とはちょっと違うんです。
一般的に、アメリカやイギリスの通勤で”train”という言葉は使わないんです。
なぜなら、trainを使って通勤することがあまりないからなの。
- ロンドンの通勤電車はtubeやunderground
- ニューヨークの通勤電車はsubway
ロンドンの通勤電車はtubeやunderground
イギリスでは、普段使う交通機関としてtrainはありません。唯一trainに該当するのが鉄道の列車です。
え?!じゃあ、イギリスで「電車通勤してる」って言いたいときは、何て言えばいいの?
ロンドンの通勤でよく使われる「地下鉄」を示すのであれば、一般的な地下鉄は 「tube」や「underground」と言うのよ。
- I take the tube to work.
- I get the underground to work.
あ〜!そういえばそうだった!
ロンドン行ったとき、地下鉄はtubeとかundergroundだったのを思い出した!
ニューヨークの通勤電車はsubway
「subway」は、ニューヨークの地下鉄システムで使われます。アメリカでは、住んでいる州によって「metro(メトロ)」だったり、「subway(地下鉄)」だったり違います。
ニューヨーク以外の都市はどうなのかな?
ニューヨーク以外の都市は、バスや車で通勤するのが一般的なの。
そういえば、ロスに行ったときそうだったわ。
地下鉄(メトロ)があるけど、路線が整備されてないから不便だもんね…。
いずれにしても、「train」はいわゆる「列車」のことで、長距離の旅行などで使う交通機関のことです。通勤で使うことはあまり考えられません。
ちなみに余談ですが、metroはパリの地下鉄でも使います。
国や都市によって「通勤電車=train」ではないことがあるので、それぞれの環境に合った表現で伝えるようにしましょう。
まとめ
「通勤する」は辞書で調べた通りcommuteを使って表現できますが、徒歩では使わない単語ですし、基本的にビジネスなどのフォーマルなシーンで使用するのが一般的です。英語は堅苦しくならず、むしろ簡単な単語を使う方が日常英会話としては自然な場合があります。ぜひ、参考にしてみてください。