「インド人はヒンドゥー教徒だから、絶対に牛肉を食べない」と思っていませんか?
えいとり 実は、南インドのケーララを旅していたとき、宿のオーナーから「ケーララではbeefを食べるよ。でも、一般的にインドでは“beef=cow“ではない。」と聞いて驚いたことがあるの。詳しく聞いてみると、そこにはインド特有の複雑な事情があったんです。
インドでは、私たちが知っているbeefという言葉の裏に、宗教・法律・そして地域ごとの深い境界線が存在します。現地でbeefという言葉をどう扱うべきか、私の体験をもとに解説します。
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1. インドにおける「beef」の正体とは?
一般的に、英語の「beef」は牛(cow)や水牛(buffalo)の肉を指します。しかし、インドのレストランで「beef」というメニューを見かけた場合、その多くは水牛(buffalo)の肉を指しています。
なぜなら、ヒンドゥー教において「牛(cow)」は母なる神聖な存在として崇拝されていますが、角のある「水牛(buffalo)」は神聖視されておらず、食用として区別されているからです。
えいとり 宿のオーナー曰く、「レストランで出てくるbeefは、cowではなく、buffaloなんだ」とのこと。言葉の定義は同じでも、実際に食卓に並ぶお肉の種類には明確な区別があるそうです。
2. 州によって全く異なる「肉食」への視線
インドは広大なため、牛肉(cow)を食べるかどうかのルールは地域によって驚くほど違います。
- 南インド(ケーララ州など)やコルカッタなど: 宗教が多様で、牛(cow)も水牛(buffalo)も食べる文化が寛容に受け入れられています。
- 北インド(デリーなど): 非常に厳格です。牛(cow)はもちろん、水牛(buffalo)を食べることも、社会的なタブーとして避けられる傾向が強く、メニューで見かけることすら稀です。
つまり、同じ「beef」という言葉を使っていても、北インドで口にするのと南インドで口にするのでは、相手に与えるインパクトが全く異なるのです。
北インド(デリーなど)では、ヒンドゥー教徒だけでなく社会全体の空気として「肉食全般(特に牛・水牛)」に対して非常に保守的です。
水牛(buffalo)が神聖でないとしても、「牛に似た動物を食べる」こと自体がタブー視され、水牛さえ避けるのが一般的なんです。
「牛に似た四足歩行の動物の肉(Red Meat)」を売ること自体が社会的な反発を招くため、実際には流通自体が極めて限定的です。
※ただし、デリーでも例外として「家族」が牛の肉を受け入れているので、水牛も牛肉も食べるという人もいるので個人差はあります。
3. 誤解を避けるための英語フレーズとマナー

「デリー(北インド)で牛肉を食べた」という話を現地のインド人の前ですると、たとえそれが水牛であっても、大きな誤解や不快感を招く可能性があるので注意は必要ですが、インドでの「beefを食べた」の英語での伝え方の例文を解説します。
このように、単に「beef」と言うのではなく「buffalo」とはっきり区別して伝えることが、文化的な敬意を示すことになります。
現地で「ビーフ」を注文する際や、食事について会話する際に、相手の気分を害さないための英語表現を紹介します。
※相手がベジタリアン専用店(Veg restaurant)でないか確認する丁寧な聞き方です。
※肉の種類を明確にしたい時に使います。
えいとり 【要注意!】デリーなどの北インドで「牛肉を食べたよ!」と言いたい時は、“I tried buffalo meat.“ と具体的に言うのがスマート。単に「I ate beef.」と言うと、神聖な「牛(cow)」を食べたと誤解され、白い目で見られる可能性があるから注意してね。
4. 「Veg or Non-Veg?」インド独特の食の価値観
インドを旅すると必ず聞かれるのが“Veg or non-veg?“という質問です。日本では「お肉食べる?」くらいの軽いニュアンスに感じますが、インドでは「生き方」や「カースト」「宗教的純粋さ」に関わる非常に重い問いです。
「肉食=不浄(殺生を伴う)」という考えがある一方で、州や個人によってその境界線がグラデーションのように存在するのがインドの面白さ。言葉の表面的な意味だけでなく、その裏にある背景を知ることが、本当の英語コミュニケーションだと私は実感しました。
まとめ:英単語の意味は「文化」が決める
「beef」という中学で習うようなシンプルな単語も、一歩外へ出ればこれほどまでに異なる背景を背負っています。南インドのケーララは治安も良く、英語を話す人も多いので、異文化体験には最高の場所です。ぜひいつか、その「定義の違い」を肌で感じに行ってみてください。
ちなみに、「牛」の肉は beef ですが、他の動物を「肉」として表現する時には名詞の形が変わるのを知っていますか?間違えると「犬の肉が好き」という怖い意味になってしまうことも…。気になる方はこちらの記事もチェック!






