【職種別】英語を使う仕事に必要なスキルは180度違う!7つの職種に見る「評価の基準」

「将来は英語を使う仕事に就きたい」と考える方の多くが、実はスタートの時点で大きな誤解をしています。

職種によって、現場で必要とされる英語スキルは全く異なります。自分がどの土俵で戦うかを決めずに学習を続けるのは、目的地を決めないまま高速道路に乗るようなものです。これでは、せっかくの努力が形になりません。

私は日英バイリンガルとして、国内企業から外資系の現場まで見てきました。そこで目にしたのは、TOEICのスコアは高いのに、職種特有のコミュニケーションができずに役割を果たせない方々の姿です。

主要な職種7つを例に、その違いを解説します。

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【職種・事業別】英語を使う仕事7つの職種に必要なスキルと評価の基準

英語を使う仕事は多岐にわたってありますが、主要な7つの職種または事業について、必要なスキルと英語をどのように使うのかを解説します。

営業・ビジネス開発

評価:顧客への「提案力」以上に、社内を動かす「論理的な報告・相談」の英語力

営業といっても、新規開拓(法人・個人)、アカウントマネジメント、ビジネス開発、コンサルティング営業と形態はさまざまで、商材によっても難易度は変わります。共通して求められるのは、単なる英語のスピーキング力ではなく、複雑な課題を整理して合意形成に導く「論理構成力」と、目標達成への執着心です。

  • 国内企業:
    上司が日本人であることも多く、英語の主な用途は「海外顧客との信頼構築」です。日本らしい丁寧な対応を英語に変換し、相手の文化を尊重しながら長期的な関係を築くための「接遇の英語」が評価の軸となります。
  • 外資系企業:
    顧客は日本企業ですが、上司や意思決定者が外国人である場合がほとんどです。現場の状況を詳細まで英語で正確に報告し、戦略を相談し、必要なリソースを勝ち取るための、英語での「社内交渉力・プレゼン力」が欠かせません。結論から述べ、根拠を数値で示し、上司を納得させるための高度な説明責任が問われます。

マーケティング

評価:クリエイティブなコピーライティングではなく、データとロジックによる「戦略の橋渡し」

マーケティングにおいて、日本人が英語でコピーを書く(ライティング)のは無理があり、おすすめしません。日本人が担うべきは、市場調査や数値分析に基づき、現地のトレンドを「ビジネス上の判断材料」として英語で整理し、次の投資判断へつなげる「戦略的な情報リサーチ力」です。

  • 国内企業(海外進出):
    日本側のこだわりをそのまま直訳して失敗するケースが後を絶ちません。日本人の役割は、英語ネイティブが作ったクリエイティブを「戦略に沿っているか」という視点で評価し、本社の意向と現地のニーズを論理的に着地させる「調整・ディレクション能力」に集約されます。
  • 外資系企業(日本市場参入):
    グローバルの施策を日本市場にそのまま適用してもうまくいきません。なぜその表現や施策を日本向けに変更(ローカライズ)すべきなのか、本社(HQ)に対してデータと英語の論理で説明し、予算と承認を勝ち取る「ロジカルな交渉力」が欠かせません。

エンジニア・技術職

評価:感情を排除した「正確性」と「論理的解決」

最新の技術ドキュメントやStack Overflowなどの情報を英語で読み解く「高度な読解力」がベースとなります。開発現場では、曖昧さを排除した技術仕様の定義や、バグ報告における「再現手順と原因」を簡潔かつ正確にテキストで伝える力が最も信頼につながります。

  • 国内企業:海外拠点のエンジニアに仕様を正しく伝えるライティング力が中心。文化背景を問わず、誰が読んでも一意に解釈できるドキュメント作成能力が重視されます。
  • 外資系企業:チャットツールでのリアルタイムなやり取りに加え、トラブル時に「原因・現状・復旧」を端的に話す瞬発力が求められます。流暢さより、結論を先に述べる論理構成が優先です。

管理部門・事務(HR / Admin)

評価:会話力より、1ミリの妥協もない「読み書き」の精度

人事や法務、総務では、一語の解釈のズレが法的トラブルや労働問題に直結します。契約書の条文や就業規則、公式アナウンスにおいて、エビデンスとして残る文書を正確に構築し、リスクを予見しながら細部まで精査できる「高度な事務英語」が必須スキルです。

  • 国内企業:ビザ申請や英文契約のチェックなど、ミスが許されない実務的な「書面対応」がメイン。辞書を片手にでも、法的・労務的根拠を正確に突き止める粘り強さが評価されます。
  • 外資系企業:本国ルールと日本の商習慣の板挟みになりながら、現地の状況を論理的なレポートにまとめて説得する「書面による交渉力」が重要。異なる文化間の着地点を文書で定義する力が求められます。

観光・インバウンド事業

評価:ネイティブの感覚を「経営資源」として扱えるか

宿泊、ガイド、OTA(オンライン旅行会社)など、日本の魅力を「体験」として売る領域です。単なる観光案内ではなく、海外のターゲットが今何を求め、何に価値を感じるかを英語圏のSNSやメディアから直接読み解き、サービス内容に即座に反映させるマーケット感覚が問われます。

  • 国内資本(日本人経営):決定権が日本人にあり、ネイティブスタッフの視点や感性が活かせず、サービスと顧客ニーズが乖離しがちです。日本の凝り固まった固定観念と海外からの観光客の需要をつなぎ止める、忍耐強い調整力が求められます。
  • 外資・外国人経営:最初からグローバル基準の視点と体制があるため、ポテンシャルは高め。現地のトレンドを「売れる体験」へ即座に結びつけるスピード感と、経営陣と英語で直接議論して問題を解決するコミュニケーション能力が評価に直結します。

コンテンツ戦略(メディア運営)

評価:自ら「執筆」するのではなく、市場に合わせた「需要リサーチ」と「ディレクション・管理力」

メディアやプラットフォームの運営では、対象が「日本から海外」か「海外から日本」かで、日本人の介在価値が180度変わります。共通して求められるのは、単なる直訳ではなく、ターゲットが今「何に価値を感じているか」をリサーチし、コンテンツの「中身」を管理するディレクション能力です。

  • 海外市場へ発信する場合:
    日本人が英語でライティングや感性頼みの企画を関わるのはおすすめしません。現地の検索意図をツールで徹底的に洗い出し、ネイティブライターが迷わないための「設計図(リサーチデータ)」を渡して進行を管理する、徹底した裏方としての「リサーチ力」と「調整力」が評価の軸となります。
  • 海外製品を日本へ導入する場合:
    海外の優れた製品やサービスを、日本の消費者に刺さる「文脈」へ変換する力が問われます。本国の意向を理解しつつも、日本の商習慣や独特の感性に合わせたローカライズを行い、ときには「なぜこの表現でないと日本で売れないのか」を海外拠点へ論理的に説明し、納得させる力が鍵となります。

※どちらのケースでも、日本人の価値は「自らペンを執ること」ではなく、ビジネスの目的(ROI)から逸れないよう、制作現場と経営判断の間をつなぎ止める「ディレクションと管理」にあります。

経営企画・プロジェクトマネジメント

求められるのは、専門用語以上に「異なる利害をまとめる」推進力

多国籍なチームを動かすPMには、抽象的な議論を具体的なタスクへ落とし込む英語力が求められます。メンバー間の認識の齟齬を即座に発見し、共通のKPI(目標)に向けて全員の意識を統一させるファシリテーション能力と、トラブル時の責任所在を明確にするタスク管理力が評価の柱です。

  • 実務:複雑な利害関係を整理し、遅延が発生した際にも「何が原因で、どう挽回するか」を論理的に英語でプレゼンする力が全て。感情的な対立をロジックで鎮めるタフな精神力と対話力が不可欠です。

あわせて読みたい:各現場の「TOEIC評価」の現実

まとめ|仕事で求められる英語スキルに合う「学習環境」を見極める

英語はあくまで「道具」です。まずは自分が将来的に、どのような方向性でキャリアを築きたいのか、またはどの職種に転職したいのか目標を決め、そのビジネス現場で通用する「英語の型とスキル」を身につけましょう。戦う土俵が決まれば、選ぶべき学習方法も自ずと見えてきます。

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